まだまだ刑事マガジン
まだまだ奴らは疾(はし)ってた。
しばらく制作されなかったものがまた復活した…7年ぶりに横浜に帰ってきた「まだまだあぶない刑事」もそうだが、もう一つ帰ってきたものがある。「刑事(でか)マガジン」(辰巳出版)だ。第2弾まで制作され、その後お休み期間に入っていたが、「あぶない刑事」復活に伴い、我らが「刑事マガジン」も『まだまだッ!』と帰ってきてくれたのだ。
本誌は今秋公開の映画「まだまだあぶない刑事」をスペシャル・フィーチャー。舘ひろし、そして鷹山刑事の素顔に鋭く迫るロング・インタビュー。さらに「恭さま」こと柴田恭兵の意気込みも聞く。畳みかけるように、脇役俳優(鑑識役まで!)やスタッフへのインタビューでより「あぶない刑事」のアウトラインが明らかになってゆく(あぶ刑事の母、脚本・柏原寛司と大川俊道のWインタビューが1ページというのが惜しいか)。
サントラの鬼(と呼んでいます)・高島幹雄による充実のサントラ案内も必読。「あぶ刑事」は音楽もまたよかった。劇伴もそうだが、舘ひろしによるエンディング・テーマも楽しみなのだ。なんと幹雄プレゼンツの恭さまディスク「あぶない刑事 YUJI THE BEST」も紹介されている。
そのほか「相棒(第4シーズン)」「女刑事みずき」としぶとく刑事ものにこだわるテレビ朝日(後者は「京都もの」枠だが)のドラマ2本を取り上げる。
吉例、「伝説の刑事」へのインタビューも竜雷太、藤木悠、倉田保昭、苅谷俊介とウレしい面々が今回もそろっている。
豊富な連載も楽しみのひとつ。マゲマニア・ペリー荻野らによる対談や、竹内力と小沢仁志の「ヤクザ刑事」作品ばかり取り上げる宮地菊夫によるVシネ案内も見物。
今回最大の収穫だったのは、巻末の「柳沢慎吾インタビュー」。芸能界に入ったのも刑事ドラマコントがきっかけだったという慎吾、刑事ものへのこだわりは並のものではない。敬愛する山さんこと露口茂の完コピ、さらに萩原健一、松田優作、舘ひろしとモノマネを続々披露。
慎吾ちゃん自身は刑事ものへの出演経験も幾度かあるものの、念願の「ドンパチ」は未経験という。その熱い思いも語り尽くしている。
警察つながり、ということでもちろん伝説のネタ「警察24時」も見事に演じている。一代芸・タバコトランシーバーの発案者は意外にもTMN・木根尚登という秘話も語られている。
時おりしも8月末。高校野球の興奮さめやらぬ慎吾、刑事ものインタビューだと言ってるのに安藤優子のネタを披露した上に、インタビュー時間の3分の1を高校野球に費やしたらしい。「デーテデッテデッテデッ、ワッショイ」もやったんだろうなぁ。
辰巳出版さん、VOL.4も待ってますよ。だって刑事は不滅ですもの。
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