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これが俺の芸風だ!!

ダチョウ倶楽部・上島竜兵の初自伝&写真集「これが俺の芸風だ!!」を読む。
まあ売れる本ではないと思うが、竜ちゃんの「スベり芸」を認める身としては、読んでおかねばという気におそわれ購入した。

この本は、「太陽さま」こと竜ちゃんの酒席での名言と、竜ちゃんやその仲間に対するインタビューで構成される(上島竜兵著とあるが、実際には後述の「竜兵会」メンバー、デンジャラス安田が主に執筆しているようだ)。

竜ちゃんを芸人として認める数少ない存在である志村けんは、著書「変なおじさん」で竜ちゃんを「つまらないのがおもしろい」と評する。「これが俺の芸風だ!!」を読む限り、それは竜ちゃん自身も分かっている。自分のポジションや能力を冷静に見極めている。

もともと俳優志望の竜ちゃん。(往年の)たけしやダウンタウン松本のような当意即妙のおもしろさも反射神経も持ち合わせていない。

しかし竜ちゃんとて、ギャグを発するときに何も考えていないわけではない。技術のつたなさは経験がカバーする。抑えるべきところは抑え、出るときには出る。ときにそのタイミングも失敗するが、それも笑いにつなげる。

日々の疲れを癒すため、毎夜のごとく居酒屋「野武士」で開かれる飲み会「竜兵会」は、その名の通り竜ちゃんが「首領」であるが、竜ちゃんは後輩をたしなめるどころか逆にバカにされ、もてあそばれ、そしてひとり酔いつぶれる。そして竜ちゃんはきょうも全裸で(ちっちゃいちっちゃいアレも全開で)歌を歌うのだ。

一見単なるバカ騒ぎにも見える「竜兵会」が、実は芸人たちの研鑽の場でもある。きつく叱りつける者はいない。その立場であるはずの竜ちゃんが一番勇気づけられているほどだ。その姿を目にする後輩たちが、竜ちゃんをよき見本、そして悪い見本とする。

竜兵会は基本的にはB級芸人の集まりだが、劇団ひとりや土田晃之、インスタントジョンソンなど売れっ子も輩出する。密かに「竜兵会」はエリート集団と化しているのだ。その頂点で竜ちゃんはひとり酔う。

飲み歩き家庭を顧みない竜ちゃんであるが、「落ち込んだときにはかみさんの顔だ」と明言する。妻・広川ひかるの存在はやはり大きい。

前半と後半に掲載されている、酔った竜ちゃんの放つ名言集のオトボケもあり、自伝の重苦しさはない。関西弁が飛び出す高校時代の親友との会話など、人間・上島竜兵の素顔もかいま見られる。盟友・肥後克広と寺門ジモンのインタビューでさらに竜ちゃんの魅力(とバカさ加減)はつまびらかになっていく。

写真集としても価値がある。美しい桜の木の下で、豆絞りおじさんに扮し最高の笑顔を見せる竜ちゃん。1ページめくれば、仲間と飲んだくれて目の据わった竜ちゃん。
なぜか京都で舞妓に扮する竜ちゃん、故郷の中学校で青春を取り戻す竜ちゃん、童心に返り遊園地でおどける竜ちゃん。ややシュールながら、どこかほのぼのとした写真。ほっとしたかと思えば、また居酒屋で真っ赤っかの竜ちゃんが出てくる。お約束通り、最後にはカラオケスナックで全裸の竜ちゃん。

愛すべき「太陽さま」がここにいる。

これが俺の芸風だ!!」お勧めです。

※ あわせて、先述のデンジャラス安田によるブログ「上島語録」も必読。

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