文明批判
NHKの深夜番組で、「東京の山賊」という1970年のドラマが放送された。ドラマといってもアニメーションと組み合わせた、当時としては画期的な作品であった。
脚本は今見ると稚拙きわまりないのだが、キャストが凄い。主要登場人物が関口宏(当時26歳)、なべおさみ、由美かおる。さらに谷幹一、ジェリー藤尾、中尾ミエなどそうそうたるメンバーが出演。あの小沢昭一も、巫女役でキレた役どころを怪演。
制作者は永六輔。六ちゃんお得意の「文明批判」が全体テーマとなっている。
10数名の山賊が、文明にまみれた東京をパニックに陥れるのだが、その山賊のアニメーションが、実写映像と組み合わされている。この動きがまたいい! 当時のアニメ技術の粋を集めたと思って間違いない。アニメ部分は虫プロが手がけている。
音楽は六ちゃんの盟友・中村八大。映像にマッチした、緻密な仕事をみせる。
豪華なキャストとスタッフで作られた30分の作品。34年の時を経て再び画面に登場したわけだが、コンピューター時代のいまでも見応えのある作品であった。
まあ永六輔という人間はあまり好きではないのだが、こういう優れた作品は、六ちゃんでなければ作れなかったであろう。
この「文明批判」の作品が六ちゃんの大嫌いな「デジタル」で復活したというのも、皮肉な話である。作品自体だって、当時の技術の最先端で作られているわけだしねぇ。
六ちゃん、「夢であいましょう」の自慢話もいいけど、後ろ向きもほどほどにね。
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