東北にプロ野球
事態は大きく変わってしまった。
プロ野球が、東北が、いま大変である。ライブドアによる近鉄買収発表から、事態はスト騒ぎへ、そしてスト回避の後は「六本木ヒルズの金持ちIT企業2社」による、仙台バトルへと進展している。
盛岡市民から見れば、東北を代表する都市を標榜する仙台の話。宮城県知事のゴキゲンちゃんぶりばかりが取り上げられ、最初は「ケッ仙台か」とばかにしていたが、岩手県知事やら福島県知事やらもしゃしゃり出てきて「東北でやって」とラブコール。のせられた三木谷氏も「東北各県で試合をやる」とぶちあげ、堀江氏も同調している。
そうなれば、岩手県民としてもここはぜひ、と思ってしまう。東北各県からも注目が集まっているはず。しまいには秋田市まで「仙台じゃなくてうちに」と第二の後出しジャンケンが出る始末(悪いけど秋田じゃ冬場は雪合戦になっちゃうぞ)。
そもそも仙台にはじめに手をつけたのはライブドア。いままで、ロッテが窮乏期にサブ本拠地として仙台にいた以外、プロ野球の球団は存在しなかった東北地方。敵の多い首都圏や阪神圏に比べれば、たいへん魅力ある市場に見えるだろう。
楽天もそんな仙台を選んだのだが、堀江氏も指摘するように「後出しジャンケン」式だった。そのためもあり、新聞による仙台市民へのアンケートでは、9割がライブドア支持だそうだ。
また、雑誌報道によれば、楽天は今回の騒動前にはすでに巨人幹部(+ナベツネ氏)と球団設立について「結託」していた事実もあるという。楽天のやり方は卑怯だと言われてもしかたあるまい。
ただ、事態は楽天に有利に働いている。一連の堀江氏のエキセントリックな行動や、ライブドア社の「山師集団」的側面とその脆弱性が指摘されている。さらにそれを利用した三木谷氏は華麗なイメージ戦略をとった。うさんくさいヒゲを剃り、堀江氏のTシャツに対抗し、颯爽としたスーツ。
堀江氏もムキになり、ノータイながらもスーツを着始めた。そしてとうとう「楽天の赤字を指摘する」伝家の宝刀を抜いてしまった。バトルはますます熱くなる一方。
仙台は、右手と左手を両方から引かれるばかり。マスコミもやいのやいのと盛り上げているだけに、来年仙台に球団が生まれるのはほぼ確実と見られる。
それがライブドアだろうが楽天だろうがいいのであるが(ほんとはそれが重要だけれど)、ただ、熱しにくく冷めやすい東北人気質。果たしてプロ野球は仙台に根付くのか、という問題もある。仙台周辺の転勤族が盛り上がるだけになるかもしれない。さらに、すでに地元に根付いているJリーグ球団・ベガルタ仙台も、計り知れない影響をこうむるだろう。(あるいは山形の方が悲惨かも)
さらに、パリーグでは集客力にまだ疑問もある。ホームゲームは盛り上がっても、ビジターで出かけていった先ではお客は来るかどうか。騒動後、セリーグ、ひいては巨人戦でさえも客足が戻っていないそうだ。
ただ、これは一つのチャンスであるようにも思う。巨人の足腰が弱まった来春に新球団がドカーンとデビューすればこれはいい活性化になるのではないか。
東北人として目が離せない6ヶ月がこれから始まる。
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