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異常なる音楽評論シリーズ「大追跡」

 ああ、またやってしまった「大野もの」。前回の松崎しげるベスト盤でも取り上げてしまった大野雄二。今度は全曲大野雄二作曲です。
 大野雄二といえば知らぬもののいないアニメ「ルパン三世」(モンキーパンチによる、どんでん返しとエロギャグ満載の原作を読んで仰天したことのあるあなた、仲間です)の音楽を第2シリーズより担当していることで有名。(第1シリーズは「アタック25」「大岡越前」でおなじみ口笛の巨匠、山下毅雄)。
 大野は70~80年代にかけて、日本テレビ、NHKを主な舞台に、数々の劇伴音楽やテーマ曲を手がけてきた「鬼才」である。その最大のヒット作が「ルパンザサー!」でおなじみ「ルパン三世のテーマ」をはじめとする、「ルパン三世」の劇伴だ。
 ジャリっ子のころから「ルパンもの」のCDを買い漁り、CDにキズがついて再生に事欠くほど聴きまくってきたが、そのころから、心に引っかかるメロディがテレビから聞こえてくることがあった。ルパンのようでルパンでない音楽。それこそまさに「大追跡のテーマ」だったのである。やはり、同じ大野雄二の曲だった。
 別にテレビで「大追跡」を再放送していたわけではなく、テレビ番組のBGMとしてたまに使われることがあり、その「ルパンっぽさ」が心にずっと留まっていたのだった。
 さすがインターネット時代。その音楽が「大追跡」であることが判明した。即座にAMAZONでCDを購入した。感のいい方はお分かりだろうが、VAP(当時)高島幹雄プロデュースの「ミュージックファイル」シリーズである。

 やはりというか、「大追跡のテーマ」は大野イズム満載の一曲だ。トランペットを中心とした旋律、途中に入るストリングス、サックスのソロ。さらに、軽快にリズムを刻むパーカッションや、左右のトラックから自由奔放なメロディを奏でるエレキの音が加わり、バンド全体で「大野節」を奏で、聴く者の体全体に押し寄せてくる。
 大野雄二は「手癖で分かる作曲家」と言われる。悪く言えば、ワンパターン(良く言えば、納得しながら聴ける)。「大追跡のテーマ」も同様。「同じ大野作品」であることを知らなくても、その作家性がトーシローでも分かるのだ。
 しかし、あくまでも「大追跡」のために編まれた曲のため、「ルパンっぽく」はあっても、「ルパンには合わないようにできている」ところが凄い。「大追跡」の舞台、横浜のさわやかな日差しの中、突如起こる事件を解決すべく立ち上がるはみ出し刑事たち…が頭の中に浮かぶのだ。「赤いジャケットを着た大盗賊とその仲間たち」は、顔をのぞかせることはあってもその全貌はこの曲からは見えてこない。
 ただ、この「大追跡」サントラの一曲一曲のうちいくつかは、ルパンで使っても差し支えなさそうだったりする(事実、使用されている)。まあ同じアクションものだし、作曲家が同じなのだからそれはいたしかたあるまい。曲のできは悪いわけじゃない。いい曲がそろっている。むろん、ルパンものが好きな人間にはこたえられない。
 ゴダイゴのガイジン、トミー・スナイダーも歌声を披露している。のちにトミーは「ルパン」でも仕事をしているわけだが、大野との相性の良さはこの「大追跡」ですでに証明されていたのだ。

 わけのわかんない文章で恐縮であるが、ともかくも「熱き大野イズム」に満ちあふれたこのCD。70年代末期の熱気を、メロディの奥から感じ取りたい。(←チューボーですよの武田広ふうに)

 ちなみに、加山雄三、藤竜也、沖雅也、柴田恭兵という豪華キャストの刑事ドラマのほうは、今の今まで一度も見たことがないのであった。

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